自信ってなんだろう?
〜ピアノをずっと続けてきた私が、今思うこと〜
私は、子どものころからピアノを続けてきました。
でも実は、「自分に自信があるか」と聞かれると、今でも少し戸惑ってしまいます。
音楽に真剣に向き合えば向き合うほど、「まだまだだな」と感じることの方が多くて、
周りの人と比べて、自分はダメだな…と思ってしまったり、
「私はこれでいいのかな?」と、自分に問いかけてきた日々でした。
そんな私がピアノの先生になり、よく目にする言葉があります。
ーーピアノを習うと、できたの積み重ねで自信がつきますーー
正直に言うと、この言葉を生徒さんや保護者の方にそのまま伝えるのは、私には少しむずかしいです。
なぜなら、私自身が「自信を持つこと」の難しさを、身をもって知っているからです。
でも、最近になって少しだけ気づいたことがあります。
それは、
「自信=完璧にできること」じゃなくて、
「自信=できない自分も、そのまま受け入れて、大切に思えること」かもしれない、ということです。
できないことがあっても、うまくいかない日があっても、
「また明日やってみよう」「今日の自分をちゃんと認めてあげよう」
そんなふうに思えるだけでも、もうそれは立派な"自信の芽"なんじゃないかなと感じるようになりました。
私が生徒さんたちに伝えたいのは、
「すごくなってね」ではなく、
「そのままのあなたで、だいじょうぶだよ」という気持ちです。
ピアノは、音を出すことだけがすべてではありません。
音のうしろにある気持ちや、がんばってきた時間、うれしかったこと、くやしかったこと…
ぜんぶが、その子の「音」になっていくと思うのです。
そんな音を、一緒に育てていけたらうれしいなと、心から思っています。